イギリスのご飯は美味しくない、と誰から聞いたか覚えていませんが確かに学生のころ1度訪れたロンドンのホテルの朝食で出されたソーセージはぶよぶよ。あまり良い思い出がありません。フォークで持ち上げた時に聞こえるネチョというサウンド。噛むと思わず口にしたくなるあの言葉「思うてたんと違う」。やはり、という一言では片付けられない残念な気持ちは今でも覚えています。とはいってもこのぶよぶよとした触感と食感は映画のワンシーンと混同している可能性があって確かな記憶かどうか今ではとても不安ですが。
あれから10数年が経ちました。あの頃に生まれた子どもはもう中学生になっているでしょう。水戸黄門も役者を数名変えました。イギリスの首相も2度ほど変わっています。オリンピックも経験しました。街も大きく変わっているに違いありません。(ちょっと大げさに言えば)イギリスだけでなく世界に目をやると戦争やテロやグローバリゼーションの空気が人の流れを変えました。
この激動の変化の中、まさかまだ「美味しくない」ままであるわけはなかろう、と、かすかな希望を胸に、ロンドンに降り立ちました。
最初に食べたロンドンご飯はタイ料理。友人の卒展を見にウィンブルドン美大を訪れた際に食しました。ウィンブルドン駅から少し離れた場所にあるタイ料理屋さん。そこで食べたパッタイは、そうだなあ浅草のモンティーと比べるとそりゃあ劣るけれども、ちゃんと食べられるレベルです。というか普通にうまい。ぺろりとたいらげてしまいました。
次の食事は外食ではなく友人のフラットの食堂で。道沿いのケバブ屋さんで購入したサンドイッチを食べながら美術や政治や日本や世界や個人について盛り上がりました。まあこの手の料理はどこで食べても美味しいですよね。ドイツの駅(どこだったか忘れた)で食べたケバブも東京で食べるケバブもロンドンのそれもたいてい同じ味。雑だけどうまい。違いがあるとするなら量でしょうか。ロンドンのケバブはピタ生地も肉も値段の割にはたくさん詰まっていた気がします。東京だとちょっと薄いんですよ。
私が泊まっていたホテルはEarl's Courtという駅の近くにあります。東京の友人からぜひ行ってみて欲しいと言われたThe Troubadourという駅近くのカフェ/レストランで朝食を食べました。1日目はシンプルなオムレツ。2日目は飛行機のトラブルでなぜかロンドンにいたユミソンさんと一緒に。昨日よりはちょっと豪華なオムレツを注文。店内の雰囲気がとても素晴らしいので長居してしまいそう。夜はライブなんかも行われるみたいですが、早寝早起きの私にはちょっと縁遠いかな。
グレイソン・ペリーの展示を見たあとサーチ・ギャラリーへ向かう途中でランチを食べることに。レバノン料理という看板が目にとまりました。中東の料理の中でもレバノン料理は格別だと誰かに教え込まれたのを思い出し入店。だいたいこういう料理屋さんに1人で入るとひと皿の量が多いから損をするんですよ。色々な種類が食べられないし、同じ皿を大量にたいらげないといけないから飽きる。でもここのケバブ(・・また)は味が色々複雑だったおかげで全然飽きが来ません。お腹いっぱいになったり顎が疲れたりはしましたが、大満足で店を後にできました。
サーチ・ギャラリーでセルフィー展を見た後はテート・ブリテンへ移動。クィア展を見たあと山本孝之さんと合流して美術館前のバーでサイダー(りんごのビールみたいな)を飲みながら日本の美術とか色々について話しました。もう20時くらいになっているはずなのに空が明るい。夜遅くなる前に山本さんと別れてホテルへ。
翌日は、先に触れましたがユミソンさんと合流。The Troubadourでほうれん草オムレツを堪能しました。ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのサマーショーやその他いくつかの卒展を見た後、カフェでサンドイッチでランチ。ここはまあ、なんというかファストフード店だったので及第点の味です。ゆっくりできてよかった。ユミソンさんを見送りホテルへ戻って就寝。
ロンドンを後にすべくメトロでぼーっと今回食べたものを思い返します。10数年前の記憶とは全く違うロンドンの味を楽しむことができました。いわゆる外からやってきた味を堪能することもできましたし、朝食ではどことなく…トラディショナルという言葉は的確ではないけど「外からやってきた」のとは違った形の根付いた味を楽しむことができました。
そういえば2015年に訪れたヴェネツィア。店員の多くが移民の(そうした偏見が前提にあったからだと思いますが)カフェに入って食べたパスタが全く美味しくありませんでした。とても残念でしたが、そりゃ当然でしょう。10数年前と比べると観光客の数、観光客として訪れる民族の構成も全く違います。観光産業も10数年たてば利益構造も変化し、提供するサービスは需要と供給の関係によって想像もつかないものになっている。こうした変化を噛みしめて旨味を感じられるくらいにならないとなあと、タイ航空の機内食を食べながら思いましたとさ。
あれから10数年が経ちました。あの頃に生まれた子どもはもう中学生になっているでしょう。水戸黄門も役者を数名変えました。イギリスの首相も2度ほど変わっています。オリンピックも経験しました。街も大きく変わっているに違いありません。(ちょっと大げさに言えば)イギリスだけでなく世界に目をやると戦争やテロやグローバリゼーションの空気が人の流れを変えました。
この激動の変化の中、まさかまだ「美味しくない」ままであるわけはなかろう、と、かすかな希望を胸に、ロンドンに降り立ちました。
ドンツキの標識がヨーロッパの風景
最初に食べたロンドンご飯はタイ料理。友人の卒展を見にウィンブルドン美大を訪れた際に食しました。ウィンブルドン駅から少し離れた場所にあるタイ料理屋さん。そこで食べたパッタイは、そうだなあ浅草のモンティーと比べるとそりゃあ劣るけれども、ちゃんと食べられるレベルです。というか普通にうまい。ぺろりとたいらげてしまいました。
次の食事は外食ではなく友人のフラットの食堂で。道沿いのケバブ屋さんで購入したサンドイッチを食べながら美術や政治や日本や世界や個人について盛り上がりました。まあこの手の料理はどこで食べても美味しいですよね。ドイツの駅(どこだったか忘れた)で食べたケバブも東京で食べるケバブもロンドンのそれもたいてい同じ味。雑だけどうまい。違いがあるとするなら量でしょうか。ロンドンのケバブはピタ生地も肉も値段の割にはたくさん詰まっていた気がします。東京だとちょっと薄いんですよ。
私が泊まっていたホテルはEarl's Courtという駅の近くにあります。東京の友人からぜひ行ってみて欲しいと言われたThe Troubadourという駅近くのカフェ/レストランで朝食を食べました。1日目はシンプルなオムレツ。2日目は飛行機のトラブルでなぜかロンドンにいたユミソンさんと一緒に。昨日よりはちょっと豪華なオムレツを注文。店内の雰囲気がとても素晴らしいので長居してしまいそう。夜はライブなんかも行われるみたいですが、早寝早起きの私にはちょっと縁遠いかな。
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グレイソン・ペリー
グレイソン・ペリーの展示を見たあとサーチ・ギャラリーへ向かう途中でランチを食べることに。レバノン料理という看板が目にとまりました。中東の料理の中でもレバノン料理は格別だと誰かに教え込まれたのを思い出し入店。だいたいこういう料理屋さんに1人で入るとひと皿の量が多いから損をするんですよ。色々な種類が食べられないし、同じ皿を大量にたいらげないといけないから飽きる。でもここのケバブ(・・また)は味が色々複雑だったおかげで全然飽きが来ません。お腹いっぱいになったり顎が疲れたりはしましたが、大満足で店を後にできました。
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Saatch Gallery / Selfie to Self-Expression
The Troubadourの内装は素敵過ぎる
翌日は、先に触れましたがユミソンさんと合流。The Troubadourでほうれん草オムレツを堪能しました。ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのサマーショーやその他いくつかの卒展を見た後、カフェでサンドイッチでランチ。ここはまあ、なんというかファストフード店だったので及第点の味です。ゆっくりできてよかった。ユミソンさんを見送りホテルへ戻って就寝。
Camberwell College of Arts / Summer Show 2017
ロンドンを後にすべくメトロでぼーっと今回食べたものを思い返します。10数年前の記憶とは全く違うロンドンの味を楽しむことができました。いわゆる外からやってきた味を堪能することもできましたし、朝食ではどことなく…トラディショナルという言葉は的確ではないけど「外からやってきた」のとは違った形の根付いた味を楽しむことができました。
そういえば2015年に訪れたヴェネツィア。店員の多くが移民の(そうした偏見が前提にあったからだと思いますが)カフェに入って食べたパスタが全く美味しくありませんでした。とても残念でしたが、そりゃ当然でしょう。10数年前と比べると観光客の数、観光客として訪れる民族の構成も全く違います。観光産業も10数年たてば利益構造も変化し、提供するサービスは需要と供給の関係によって想像もつかないものになっている。こうした変化を噛みしめて旨味を感じられるくらいにならないとなあと、タイ航空の機内食を食べながら思いましたとさ。
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