高木神社の大祭で鳩の街通り商店街をこどもお獅子が練り歩きました / ご報告

鳩の街通り商店街は横幅3メートル、長さ200メートルあります。歩いてみるとその長さは歴然で、入口付近の店舗でイベントをしている時、商店会長さんのお店(出口付近にある)へ用事で向かうのが本当に大変なのです。これからする話は信憑性に欠けるので、言おうか言うまいか迷うのですが、まあいいや。お酒の席か立ち話か、とにかく話している人がある程度「盛って」言っているだろうことは明白な状況で聞いたことです。子どもの数が多い時代は獅子の胴体が入口から出口までつながって大変だったそうな。これは何かと言いますと、高木神社のお祭りに登場する「こどもお獅子」のお話です。


3日続くお祭りのちょうど真ん中。小学校もお休みの土曜日に「こどもお獅子」は登場します。獅子舞に使われるような獅子頭と布でできた胴体。ちょっと年上のお兄さんやお姉さんが先導するすぐ後ろを、獅子頭を持った子どもたちが続きます。布を持つ子どものもう片方の手を持つ親御さんの姿も微笑ましい。ゆっくりと商店街を練り歩きます。子どもたちは雄獅子と雌獅子と2台に別れ、雄獅子は男の子、雌獅子は女の子が持ちます。

ゆっくりと歩いているお獅子は、営業しているお店に入っては店内で「カチカチ」と大きく口を鳴らします。魔よけの意味があるのでしょう。お店の方は、さあ待ってました、といわんばかりの微笑みで獅子を迎え入れます。写真は鈴木荘の自転車雑貨のお店「千輪」さん。撮影のため、店主が外にいたのを見つけた町会のお姉さんが「何であんた中にいないんだよ!ばか!」と叫んでいたのが微笑ましい…。

さて、ちょうど商店街の真ん中あたり、鳩ほっとミニ公園のあたりで雄獅子と雌獅子は互いに顔を合わせ、激しく見栄を張りあいます。子どもたちの高い声が商店街に鳴り響く。子どもたちが持つ胴体の布は高く低く波打ち獅子の気勢を表します。この布の端が、昔は入口出口に到達するほどだったとか。今は子どもが減ってしまったのでしょうね。それでも今年は各40名ほど、合計80名ほどが並びました。


子どもたちはとても大きな声で元気に胴体を揺らします。この光景を見ながらいつも思うのです、お祭り好きの元気はいいなあと。ええ、まあ実際にそうなんです。が、本当は見栄の張りあい後の休憩でもらえるお菓子とジュースが楽しみで仕方がないみたい。

私は商店街の人間として、子どもたちにお菓子を配りジュースを注ぐ係をしています。だから知っているのです。子どもたちが、机の上に準備された紙コップとジュースのボトルをチラリチラリと伺うのを。休憩の号令がかかるやいなや、子どもたちは机に並び「早くくれ」といわんばかりの勢いで手を出します。あっと言う間にジュースはなくなりました。(毎年ウーロン茶も出すのですが、子どもはほとんど手をつけません。甘いものがすきなんですね。)


先ほど私は各40名、つまり80名くらいの子どもがいると申し上げました。昨年は各30名ほどでした。お祭りに参加している子どもの数は増えたのです。近くにマンションができたんでしょう。長屋がごっそりと解体されてから小ぶりなマンションができるケースも増えています。新しい戸建てもちらほら見ます。墨田区の、商店街周辺の住民数が増えているのが理由ですが、それだけではないはず。


町会の若い人たちがお祭りに参加しやすい環境を作っていました。町会の若い衆が増えたと聞きました。写真をやっている人、デザインができる人が参加していると聞きました。そういえば商店街裏手の壁に祭の写真が展示されている区画が見られました。町会ならではの顔の見せるPRが行われていました。

これは余談かもしれませんが、曳舟駅前のスパイスバー猫六やその他の飲み屋さんで、ご近所さんが飲んでいる姿(やfacebookでの投稿)をよく見ます。こだわりの個人店が増えてきた向島界隈。ふらっと立ち寄り飲み話す機会が増えました。ちょっとした会話の中でお祭りの話題になることも多いでしょう。「じゃあ行くよ!」「つれてくよ!」なんて盛り上がっている様子が想像できます。

町の中の個人と個人、家族と家族のつながりの強さは、こうしたお祭りに表れるんですね。(もちろん、零れ落ちるものや、だからこそ生まれる疎外もあるのでしょうけれども)


鳩の街通り商店街の入口から出口まで、子どもがまた元気に獅子の胴体を揺らす日がやってくると、信じてもいい気がしてきました。

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