スキップしてメイン コンテンツに移動

”第4回さるハゲカレー会”にてカレーを10種類食べてきました。


カツカレーが巷を賑わせているようですが、その「巷」も限られた世界でしょうしさらに「カツカレー」という言葉が目の前に並んでも違和感を感じなかったりそもそもカツカレーが好きじゃなければ気になりませんしカツカレー以上に美味しいカレーを食べていたら「カツカレー」なんて見向きもしない言葉なわけで。3500円のカツカレーなんかよりも美味しくて、ある意味高級で、大量のカレーを食べた私には、ここ最近のバズワードは縁のない言葉でした。


先週末、ひょんな事から1日に10種類のカレーを食べるイベントに参加。カレー好きが一同に介し、自慢のカレーを振るまい、投票して1位を決めるガチ料理対決は、食べる側も真剣。体力のいるイベントでした。豆カレー、ポークビンダルーカレー、おでんカレー、白菜カレー、人参カレー、イタリアン・トマトカレー、ブルーチーズカレー、キャサリンの地獄カレー、資本主義の豚野郎による金満カレー、カレーパン。名前を挙げるだけでも精一杯、味を思い出すだけでも精一杯、そして腹一杯。

この第4回さるハゲカレー大会は一番美味しいカレーを決めるだけではありません。なんと光栄な事に、年始に行われる「さるハゲロックフェスティバル」で出店する権利を得られるのです。10時間を超す長丁場のロックフェスティバル。お客さんもさぞお腹を空かす事でしょう。用意するのは150人分ということですが、毎年すぐに無くなってしまいます。150人ものお客様に自慢のカレーを食べてもらうことができる。なんと素敵な…。つまり1位になった人は、自慢のカレーを150人分調理しなくてはならなくなるわけです。

味に自信があり150人分調理することを想定し予算配分や調理方法など戦略を立ててメニューを考える猛者。とにかく面白く美味しいカレーを作りたい一心で、金粉入りのカレーや真っ青なカレーを作る猛者。人によってカレーに対する向き合い方が違います。真剣勝負。食べる方も真剣です。



1.豆カレー


一番最初に食べたカレーが豆カレーで良かったと思っています。優しい豆の食感と味。オーソドックスなカレーですが、さっぱりとして何杯でも食べられます。豆、それは健康的な味。母親が子どもの体調を気遣ってくれるような、そんな優しさを感じるカレーでした。


2.ポークビンダルーカレー


昨年の覇者が作るカレーはりんご酢に漬けた豚肉を使った酸味のあるカレーです。こってりとしたカレールーはピリリとした辛味。酸味と辛味がちょうど良い具合に配合されていて、the美味しいカレーでした。洋食屋さんで食べたら2000円くらいするんじゃないかな。


3.おでんカレー


おでんにカレーのルーを入れてみました、と紹介されたシンプルなカレー。作り方とは裏腹に複雑で味わい深いカレーでした。ルーそのものよりも具に焦点が。煮玉子、こんにゃく、厚揚げ、ちくわ。おでん定番の具をカレー味で食べるなんて、なんと、まあ、有りですね。有りです。カラシを付けて食べてしまったらもう病みつきです。


4.白菜カレー


これにはやられました。素朴。具は白菜とエノキが目立つ程度。味はしっかりカレーだけど和風出汁が効いているのかな、日本のカレーでした。「この肉がいいんです!」といった主役は無いんだけれど、確かに美味しい。後引く味で、何杯でも食べられそうです。


5.人参カレー


人参をベースにしているため、色はちょっとオレンジが強いかな。鶏肉と豆腐と麸を混ぜて作ったココナッツつくねと一緒に食べると南国の味。実は私はご飯にかけず、つくねとばっかり食べていました。カレーというよりもまた別の食べ物のような気がします。甘辛人参鳥ボール?


6.イタリアントマトカレー


ラタトゥイユベースの具材。トマトの強いルー。そしてご飯ではなくバゲットにつけて頬張るという食べ方。これはまさにカレーの大革命です。ご飯と一緒に食べると美味しくない。バゲットの為のカレー。新しい食べ方の提案。さすが村山さん。でも、完全に、カレーではなくラタトゥイユでした。


7.ブルーチーズカレー


青カビチーズを使ったクセのあるカレーを想像されたかもしれませんが。本当に、青いカレーです。クチナシの花の色素を使って青く着色。色がのりやすい様にホワイトカレーでベースを作られたとか。だから味はマイルドで優しいんです。時々口の中に広がる爽やかな香辛料の味はおそらくクミン。青いからなんでしょうね。そんな小技が私は大好きです。でもなかなか食欲がわかなかったのは色のせいでしょう。


8.キャサリンの地獄カレー


真っ黒いカレー。かき混ぜると底から姿を見せる骨、骨、骨。イカスミを使って黒くしたというカレーは見た目よりも「地獄」ではなく、うまい。糸唐辛子をかけたピリリとした辛味が地獄を引き締めます。見た目の恐ろしさの裏側にある柔らかさ儚さ。それはまさにキャサリン(※)でした。


9.資本主義の豚野郎による金満カレー


不景気のご時世。庭付きの家に住むなんて、この東京では夢のまた夢。その夢を実現させた秋山さんは、広大な庭にある家庭菜園で作られた野菜、庶民は手に入れる事ができないほど高級な圧力鍋を使って柔らかくした豚肉、見た目の美しさを極めるために金粉をスプレーするという芸当、資本主義万歳なカレーを作りました。味は、普通に・・・と言うと失礼なくらい美味しいんですが。家庭菜園に圧力鍋に金粉。素直に喜べません。



10.カレーパン


生地から作ったカレーパンです。人数分を用意するのはどれだけ大変だったでしょうか。さらにアンパンまで用意してくださいました。辛いものにつかれた私たちの口を優しくほぐす甘いアンパン。その後に食べるカレーパンは格別でした。

------

思い出すだけでお腹が一杯になり、そしてまたカレーが食べたくなる一日を経て私も参戦してみたくなりました。ただ、万が一にも150人分作ることになったら。想像するだけで恐ろしい。私が作るカレーなんて、玉ねぎをみじん切りにしてそれを3時間弱火で炒めゆっくりつくるカレーです。ねっとりとしたあの甘みは何かで中和しなければカレーとして成立しません。和風だしを加えてカレーうどんにするくらいが関の山。私なんかの腕前じゃあ、まだまだ大会の「た」の字にも届きません。


何かの目標があると人は頑張れる。目標がたくさんあると人は成長する。それが遊びであっても何であっても本気で取り組む。活力がみなぎり、笑顔を力強くする。カレーに取り組む大人たちの姿を見て、会場に来ていた子どもたちも何かを学んだ事でしょう。次世代のリーダーを育てるのは、3500円のカツカレーではなく10人の大人が1年かけて取り組む10種類のカレーに違いありません。(良いこと言ったー)

コメント

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

「仮面屋おもて」がキラキラ橘商店街にオープンしました。

京島のキラキラ橘商店街は、私が事務局メンバーとして関わっていた「墨東まち見世」にとって縁の深い商店街です。初年度から様々な企画でお世話になっており、2012年度ではインフォメーションセンターとしての事務局スペースを構えさせていただきました。(初年度、その場所では岸井大輔さんのプロジェクトが行われ、商店街では大巻伸嗣さんの展示も行われました。)現在、そのインフォメーションセンターとして借りていた場所はブティックが入店しています。

さて、キラキラ橘商店街は毎週土曜日に「キューピッドガールズ」によるパフォーマンスが行われたり、日曜朝には朝市、日本全国の中学生が課外授業として訪れるなど、商店街を中心とした地域の魅力発信がとても盛んです。そんな商店街に、最近なにやら不思議な店構えの店舗が入店しました。

既に4月28日オープンしておりますが、その数日前、関係者への内覧会におじゃましましたのでその写真をご紹介します。まずはずらりと見てください。

ところ狭しと仮面の並ぶ1階スペース

海外の作家さんの仮面も並んでいました
 ひ!一つ目!
 通りの向こう側からも見えるようになっていますね
このお店は「仮面屋おもて」という「仮面」のお店です。揃えているのは、日本国内外を問わず様々な仮面作家さんの作品です。内覧会は夜に行われました。商店街を通り過ぎる人は帰宅途中、もしくはこれから飲みにでも出かける人でしょうか。色々な背景でその前を通るほぼ全ての人が足を止めてその店を眺めていました。無理もありません。見たこともない不思議で美しく面白く想像力をかきたてる仮面が展示されているのですから。


何屋さんか一目瞭然、でも何をするのか入ってみないとわからない
仮面の使われるシチュエーションは私たちが想像している以上にありました。例えばミュージックビデオの中の演出としてよく使われていますよね。その他、ファッションショーの一部として、映画、演劇の道具として。様々な場面で仮面は使われていることに気付きます。店主の大川原さんは、こうした仮面の需要に対してこたえられる仮面作家さんの紹介を行っているそう。つまり仮面のことならなんでもござれ、彼に情報が集約しているんですね。

これからは販売だけではなく二階スペースでのワークショップなど、様々な事業展開も考えているそうです。演劇では仮面を意味する「ペルソナ」は、ただ衣装を着たり仮…

知床旅行記(旅行というか週末の過ごし方)

知床でワークショップをする機会をいただいたきっかけや理由や流れをここで説明するのは難しいし可能ならば丁寧に、そう、面と向かって相手の表情を見ながら伝えたい内容。ここでは初めて知床に向かう際の飛行機内で偶然アーティストのエレナトゥタッチコワさんに出会ったことを話しておいた方がよいと思う。

数年前のアタミアートウィークで知り合って以来の出会いだったけれも忘れられないその顔はすぐ声をかけるに至った。女満別の空港で仕事の依頼主を紹介したり、行き先を聞いて同じ知床であることに驚いたり、そこで初めて「メーメーベーカリー」というパン屋のことを聞いたりした。

雪解けとメーメーベーカリー
メーメーベーカリーとシリエトクノートから広がる様々なつながりや状況のおかげでワークショップは、私が思っていた以上に何かが伝わったと思う。知床には合計2回ほどしか来ることは無かったけれど、私にとって墨田区に続いて気にかかる…大事な感じのする場所になった。

ワークショップが終わってから1~2年ほど知床に行くことは無かったけれど、メーメーベーカリーの小和田さんやシリエトクノートの中山さんたちが東京に来た時に出会ってご飯を食べたりカラオケをしたり、思い出はなかなか途切れることなく着々と痕跡を残してくれている。

AIR DOと夕焼け
そしてこの4月の半ば、やっとこさ、知床半島を再び訪れた。

ワークショップの際は依頼主が用意したレンタカーで女満別空港からウトロまでひとっとび(といっても1~2時間かかる)だった。今回は公共の交通機関を使った。まずバスで女満別から網走駅へ。網走駅から釧網線を使って知床斜里駅へ。知床斜里駅に着くとシリエトクノートの中山さんが待っていてくれた。彼女の車に乗って宿泊する「しれとこくらぶ」へ。

夜の網走駅はちょっと雰囲気が、ある
釧網線の一両車両。ここで高校生たちの青いやりとりが。
石川直樹さんの写真とプロモーション。やっと見れた。
しれとこくらぶ、お世話になりました!
祖父の代に地元の付き合いで譲り受けた(お歳暮として)温泉をもとにスタートした民宿「しれとこくらぶ」は市街地にある。手作り感のあふれる民宿は、やはり温泉が良質で素晴らしく、しれとこくらぶ1階で開業しているレストラン年輪も人気。夜中や朝早くはそりゃもちろん少ないが、夕飯時はご近所さんや宿泊客で賑わっている。朝食はお母さんの手作りを食べな…

新年早々、車をぶつけちゃいましたよ。

私は車をガレージの門にこすりつけた。車は運転席ドアが開かず助手席側から入るしかないほど右側の壁近くに駐車されていた。向かう方向は右側。私は左にハンドルをきり、少しふくらませてから右にハンドルを回す。ところが、安全に出発させるには、もっと車を前に出す必要があったらしい。門をこするギリギリの距離で私はどうしようもできなくなった。心配して様子を見ていた父親にハンドルを譲った。彼もこの状況から脱するのに困難を要したが、なんとか門と車の右側との距離を空けて、車を出すことができた。父親が車の右側をチェックしに走ると、案の定、夜でもわかるほどの傷があった。思わず「これ5万や!」と彼は言った。私は本当に申し訳なく思って謝った。ドライブに出る予定だったが、もはやそんな気分じゃない。「大丈夫や、気にすんな」と父はフォローを始めた。私の肩をバンバンと叩き「この車は共有や。みんなのもんや。おまえのモノでもあるし俺のモノでもあるねん」と言い「気にせんでいいから、ほら、ドライブに行け!」と運転席に押し込み去っていった。

1時間ほどドライブをしていたと思う。5万円と具体的な数字を言われてしまったから、申し訳無さや運転技術の低下した事の情けなさが、いやにビビッドに頭を駆け巡る。「右に詰めすぎやねん」とか「運転技術にこだわるのはええねんけど、ガレージ広いねんから、そんな技術の鍛錬は無駄やん」とか言い訳も顔をのぞかせたけれども「いやいや、私の技術さえあれば回避できた」とか「落ち着いて対処できたら問題にならなかった」と今度こんな事が起こらないように、と反省に集中した。

帰宅した。今までにないくらい車庫入れは緊張した。何度もハンドルを回して、まるで若葉マークの初心者のよう。気分は落ち込んでいて、一階で炬燵に入っていた父親に「5万なんよな。ごめん。本当に申し訳ない」と言った。彼は「車は慣れの問題や。あんま運転する機会ないから仕方ない。もっと運転したらええねん」と、またフォローをした。私も大人気なかったと思う。「しばらく運転せんとくわ」とどうしようも無い事を言ってしまった。なんとなく、このまま一人で誰とも話さずに寝たかったから「寝るわ」と3回念を押して二階に上がって寝室にこもった。母親は意図を理解してくれていたようだったが、父親はそうでなかったんだと思う。

階段を上がってきた父親は寝室のふすまをノックした…